下僕主とツンデレ超えた召喚物
第三戦、“美しさの王女”
(一)
『イヤッホー!と、失礼、取り乱しました。が。取り乱せずにいられるか、この状況。なんと、無名たるガキが三回戦にまで上り詰めやがったワケ。
ついにはジャラシーさんの登場。えー実に何ヶ月ぶりだっけ。あー、いいや、ついに待ち焦がれたあの召還者もお目見えですよ。私、もうビンビンなワケ。
さてさて、登場しちゃってください、ジャラシーさん』
三回戦目、見慣れたグラウンドに響く、聞き慣れたアナウンス。
ただ今回はやけにテンションあげあげ風だ。
野次馬だってそう口笛ふかしたり、やーやー騒いでいる。
なんだ、何が現れるというのか。
こくりと唾を飲んで待ち構えれば、向こうからでてきたのはスラッとした男。
赤いジャケットが目立つ男は赤い帽子を目深に被り、ついと俺たちを見た。