下僕主とツンデレ超えた召喚物
さあと風が流れた。
ラグナの髪が揺れて、俺まで風は届く。
確かに、ジャラシーからは何も感じなかった。
怖さがない。
ダーウィンへの畏怖、ブロッサムの気味悪さ、あの二人は召還物なしでも確かに何か俺が怯える要素があったのに、ジャラシーは例えるならただの一般市民にも見えた。
魔法なんか使えない人間に、魔法使えるこちらがびびらないようにジャラシーからは――
「うぜえよ、イケメン君。顔を潰して殺すことに決めたからね」
ざわっと空気が変わった。
ジャラシーが動いた。
ほんの些細な動き、胸ポケットに手をいれ小さな小瓶を地に落としただけなのに。
「――」
ラグナが身構えるほどの変化が起こった。
ぱりんと割れた小瓶から、大きな物が出現する。
内容量お構いなし、小瓶に入れたさいにミニマムの魔法でも使ったか、出てきた奴は長身のラグナよりもでかく太かった。