下僕主とツンデレ超えた召喚物


「……わ」


真っ白な腹には“絵”があった。

血管で書かれた絵は、美しい女性を象形文字みたく表現していた。


「“息吹く前の蛹”(アニマ・メイデン)……!」


ラグナの靴が土をこする。手を伸ばし、


「繋ぐ、十六番、首狩り」


今回、初めて見る武器を出した。


赤い鎌。
一仕事したような大きな死に神鎌をラグナは持ち、立ち向かう。


早い。
まるで相手に行動させてはいけないと言っているようで、感じ取ったメイデンは体を一度くねらせて――足を、出した。


ムカデの足が無理やり体内から出てきたよう。それがラグナに向かう。


伸縮自在、どこまでも伸びる百本の針めいた足たち。


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