下僕主とツンデレ超えた召喚物


真っ二つに割れた腹からオレンジの鱗粉(りんぷん)がまき散らされた。


ラグナの全身にかかり、ラグナがたまらず後退をするが。


「チッ、くそ」


ラグナが着地の足を踏み外した。


転倒し、鎌があらぬ方へ飛んでいく。


持ち主から離れた鎌は消え去ったが、転倒したラグナはしばらく動かなかった。


「ラグナっ!」


「ち、か……よ、るな……」


二の足を踏んで止まる。


ラグナが上体を起こし、何かを話したから。


言葉にならない声で言われた。多分は、近寄るな。と。


立てはせずにラグナは体を丸めた猫みたくかがみ、頭を抱えていた。


動きはしないのに体だけが震えまくっている。


「ラグナ、どうしたんだよ!」


その変化に戸惑う俺は叫ぶが、返されることはなかった。


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