下僕主とツンデレ超えた召喚物


「やめ……」


ラグナがっ!


「やめろぉぉぉっ!」


全てがもとに戻った。一瞬だけ、でもその一瞬で俺はラグナに近づいた。


下ろされた刀には、剣で対応するが――剣を扱ったことない俺では弾かれてしまう。


あの刀は俺に向けた殺意はなく、あったのはラグナを殺すための殺意だけ。


クリア――いいや、羽がついた彼女はまたすぐにラグナに刃を向けるが。


「やめろ、やめろよ!」


俺に阻まれる。


ただ俺が彼女の腕を持っているだけなのに、未だに朦朧とした頭で力なんかまったくない俺の手なのに――彼女は止まってくれたんだ。


「え……」


俺が驚いた。

彼女を見れば、確かにどこかやりにくそうな顔をして。


「なぁに、してるのかな。フィーリア」


「……!」


「や、り、な、さ、い」


「……」


俺の腕がはらわれた。

軽いはらいなのに、壊れかけた頭では突風に飛ばされたぐらいの勢いがある。


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