下僕主とツンデレ超えた召喚物
無防備なラグナでも、まだ動ける力があったか――左にずれてぎりぎり彼女が持っていた葉刀をかわす。
けども左腕に切り傷を負い、ついで。
はらり、と。ラグナの眼帯も取れた。
左目の眼帯。
片目だけの瞼をとじる力もなかったか、奧にあった眼が、今日はさらされた。
真っ黒だった。
黒真珠をそのまま埋め込んだような目で。
「……!」
その目に一番に驚いていたのは彼女だった。
葉刀を落とし、下がる。
「おい、フィーリア!」
「……!」
首をふる彼女は何を訴えたいのか。
幻想の世界で、優勢たる彼女はたった一つのことで手出しできなくなっていて。
【神に拮抗しよう】
魔の音色が辺りに響いた。