下僕主とツンデレ超えた召喚物


【空に申しよう。我、求めよう。我、願おう。我、全てにおいて命じる権限あり】


麻痺していた口が時間が経って回復したらしく、魔の音色は俺たちを震え上がらせていた。


【雲に申しよう。月夜は飽きた、月に打ち勝つ黒雲よ。お前に役目を与え、代わることを我が許す。我は全てにおいて決定権を持つものなり。

惜しみなくたゆたい、密集し、固まり、厚く、月を隠せ。

固まりて。冷気よ、湿度よ、水滴よ。大地に恵みを与えてやろう。花は咲き、天に向かってほえている】


地にある花たちだってざわざわと騒ぐようで、これから起こる“大事”に全てが準備に取りかかっていた。


たった一人の人物のために、世界(現実)は変わる。


【応えろ、もう我は命じた】


有無を言えないモノたちを強制的に扱う。


詠唱が終わり真っ先に変化に気づいたのは、俺。


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