下僕主とツンデレ超えた召喚物



――、雨。


ぽつりとした水滴から、頭上を見上げればザーと一気に目に痛いほどの雨が俺たちを濡らす。


花全てが首を垂れるほどの大雨。雷が鳴らないのが不思議でもあった。




――雨降らし。


天候を変える魔術だなんて知らない。もはや、次元が違う話だった。


神様がここにいる。
全てにおいて万能たる人間は神様と相違なく。


【三十八番、黒絹の拘束】


ゆらりと立ち上がった奴は、何においても完璧であった。


降り続いた雨で鱗粉花粉は洗い流された。

花はもはや花粉を出すには至らず、ただの鑑賞物に成り下がる。


幻想への対策はした。元通りの場所では、見慣れたグラウンドに観客たち。誰もが雨の被害を受けていてずぶ濡れだ。


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