下僕主とツンデレ超えた召喚物


(二)


おかしいとジャラシーはつま先で何度も土を踏んだ。


花の檻、外から見る分にはつぼみたるあそこに自分の召還物、敵がいる。


ジャラシーの予想では中で戦いが始まり、もうそろそろで終わるころだと思っていた。


でなければ困る。


「見えねえぞー」


「み、せ、ろっ。み、せ、ろっ」


むさい男どもがあの潤いが見えないことにやじをあげはじめたのだから。


別に知ったことではないが、無視していいことでもない。


この闘技場での“目玉”がないのだ。


戦うことが見れる、人殺しが見れる。たったそれだけでは毎回のように人が集まるわけもなく、ジャラシーは目玉として闘技場では重要な役割をもっていた。


誰もが犯したい体を持つ女が戦い、人殺しをする。


この言葉に集まる野郎は数知れず。入場者数が増えれば、入場料の割り当ても多く貰える。


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