下僕主とツンデレ超えた召喚物
平穏に安堵さ安堵、つうのに……
(一)
待ちに待った、天空宮学園フリーマーケット当日の昼。
魔法科中央広場で俺がこうして悠々と歩けているのは奇跡に近い。
まじで死ぬかと思った先日。
『まあいい、他にも手はある』
とかなんとかで、なんとかラグナ様……違った、ラグナにお許しをもらった次第だが。
しばらくは呪いかけられんじゃないかと怖くて奴から目が離せなかった。
「人ばかりだな」
広場を見てラグナは言う。
否定はしない。つい前までは露店すらもできあがってなかったのに、今では立派な売買ができる区画になっていた。
魔導書専門だったり、誰でも炎が出せる指輪だったりと様々なアイテムが取り揃えてある。
俺もついつい見てしまうが……値段が。
「ラグナは興味ねえの?」
「ないな、どれも珍しいとは思わない」
「へえ。蓋を開ければカエルになっちまう壷とかは?」
「一日程度のことだろう。俺には効かないし……いや、魔術に耐性あるものなら誰もが効かない半端な呪いだ」