下僕主とツンデレ超えた召喚物
(二)
クリエアント教会。
学園内にある教会のことだ。
学園の象徴の一つになるほどデカい建物で、神聖な場所。
濁ることない純白の外装に、金色の鐘がからんからんと学園内に響く音を立てる。
そこで今回、ネミュレシスの指輪が売られるらしいが――ミント曰わく、オークション制になるのだろう。
教会周りには人がごった返しているが、誰も中に入ろうとしない。
なんでだ、と思っていれば。
「いで」
「キュー」
頭の上でいたずらをされた。
さながらメカ。
髪の毛の束を二本持ち、先ほどからポックルさんが右行けなら右手を、左行けなら左手をあげるもんだから、俺の頭はダメージをくらう。
「キュッ、キュッ」
「わーたよ、右向きゃいいんだな」
右にはラグナ。
ラグナにくっつけという命令しか出されてないが、誰が実行するものか。
そんなポックルさんの遊びを交えつつ、人ごみをかきわけて中に入るわけだが。