下僕主とツンデレ超えた召喚物
指輪を見るなりに、皆が生唾を呑んだのが分かった。
「遠(ふか)いな……」
ぼそりと呟くラグナ。
じいと指輪を見ているようだが、眉ねを寄せている以上解読はできていないらしい。
「ラグナ」
「思ったより深い知識だ。手に触って見るまで解読は無理そうだ」
らしく、ラグナは指輪を見るのをやめていた。
あとは誰の手で落札されるかを待つのみなんだろう。
「伝説の中の伝説、おとぎ話にさえもなった指輪。それを私が手にしたのは……おっと、皆様、ずいぶんとピリピリしているようで。よほど指輪を早く手に入れたいらしい。
ええ、焦る気持ちは分かります。私めはそれに応えて、コホンっ、では、十億から始めましょうか」