下僕主とツンデレ超えた召喚物

チリンとベルが鳴らされた。


十億、バカじゃねえのと思う前に。


十億五千、十億七千、十一億。


声があがるあがる。


｢十三億｣


言ったのはテレサ先生だった。


どんだけ稼いだんだ、この人はっ。


それからも冷たくも白熱するオークション。ついには二十億まで飛んでいった。


ここで俺が悪ふざけで、五十億と叫んでもきっと六十億とかいう奴もいるだろう。


それだけ皆、ネミュレシスの指輪が欲しいのだろう。


破産した分はネミュレシスの指輪ですぐに元通りになる。だからこそ皆、頭が可笑しくなるぐらいの値をあのちゃちぃ指輪につけているんだ。


｢四十億七千｣


｢五十億！｣


｢六十億だ！｣


｢ちっ｣


先生の舌打ち。
あの先生がかと思えば、今はにこにこいつもの先生。


でも、先生がこれ以上声をあげることはなかった。