下僕主とツンデレ超えた召喚物
ジャラシー。
そいつが、顔を歪ませ笑いながら俺たちを見下していた。
『今に見てろよ』
そう言われている気分になり、ジャラシーがそうなるようにしたのは――ショーウィンドーを割った。
きゃあと女性から悲鳴があがった。
血だらけになった拳で指輪を取るジャラシー。人差し指にはめるなり――指輪が姿を変えた。
ぐつぐつと煮え立ったマグマらしく指どころか手から手首まで覆うグローブになり凝固する。
赤色。
ジャラシーに似合う色で指輪は色と形を変えた。
「はは、これで準備オーケーかな」
固まった右手のグローブをあげてじっくりと眺めたあとに。
「なにあれ……。毒々(まがまが)しい」
「人間の恨みほど深いものはないからな。どうやら、ネミュレシスの指輪はとんだ色(毒)を吸収してしまったらしい。
何にでも変形できるからこそ、何色にもなりやすく、今のあいつは」