下僕主とツンデレ超えた召喚物
風がやむ。
内部はひどいものだった。壊れた椅子が壁際にあり、中はただのだだっ広い体育館みたくなってしまった。
「ブリュン、ありがとう」
一騒動収まり、静かになった空間で。
「な、なんなんだよ、これはぁぁっ」
叫んだのはジャラシーだった。
何に叫んだのか、あるいは全ての“現実”か。
ジャラシーの前に立っていたのは、“泥人形”だった。
かぼそい、身長一メートルもない茶色い人形。
目もなければ口もない、子供さえももっと上手く作れそうな出来損ないの泥人形なんだが。
見た目、容姿だけでなく、ジャラシーは別のことでも絶句していた。
「嘘だろ、な、ん。僕に、くび……首輪が」
首もとの首輪を何度も触る奴。首輪からは鎖が生えていて、それはあのみっともない泥人形の手に巻かれていた。