下僕主とツンデレ超えた召喚物


この事実。


「僕が、こんなのより“下”だと……?」


知ったことに唖然としたかと思えば、取り乱して帽子を泥人形に投げつけた奴がいた。


「ふざけるな、僕に首輪を、こんなのに飼われ、っっ、どういうことだ!

願いが叶ってない!おい、ネミュレシスっ、ネミュレシス!」


赤いグローブと化した指輪に話しかけても無駄だった。返答なし、だから奴は自分で答えを見つけるしかなかった。


「くそ、偽物か……!くそっ、くそくそくそ、くそが!」


偽物と知るなり、ネミュレシスを外そうとするがあんな形状をした指輪は外れなかった。


しばらく格闘してもダメな上――偽物を掴まされて、屈辱を受けたと奴は全ての怒りを。


「もういいっ――」


「よせっ!」


ラグナが立ち上がるが、立ち止まる。


前には泥人形。
ラグナに体を向けた泥人形がふるふる動いて、ラグナはそれを恐れているような。


< 277 / 319 >

この作品をシェア

pagetop