下僕主とツンデレ超えた召喚物
口々に喋る奴らの内容は俺には分からない。
あの召還物への“対策”を話しているのは分かるが。
「なんなんだよ、ありゃあ」
先ほど感じる不気味さ。
泥人形から流れる“視線”(無き眼)が背筋にたらりと冷たい汗を流させる。
「“無限たる創世結果”(ミレレ・ジェネシス)。最強に“なれる”可能性を秘める人形だ」
「なれるって……」
「ネミュレシスは本物だったということだ。確実に奴の願いを叶えている。“俺を倒せる召還物”だなんてあいつしかいない。
見てれば分かるさ、変化の始まりだ」
ラグナの目線の先を見ればぶよぶよと人形が沸き立っていた。
なかった口が開き、にやりと笑っている。
「ブリュン!」
『はっ!』
赤い騎士が飛ぶ。
人形に向けて剣をおろすが。
【対絶、我侵すものなし】
ばちばちと人形と衝突する前に、赤い騎士は何かにぶつかった。
たまらず戻る赤い騎士に先生が苦い顔をした。