下僕主とツンデレ超えた召喚物
「にしてもー、あなたはなぜこの世界に来たのかしら」
「……、探し物があってな」
「そうなのー。てっきり、“世界を壊しにきた”のかと思ったわ」
「……」
ニコニコする先生に対して、奴が初めて敵意を抱いた。
そう分かるのも、奴の藍色の瞳――裸眼の右目が細められたから。
「俺が、“何”かお見通しか」
「神様、悪魔の類かと最初は思ったけど……あなたはれっきとした“人間”だわ。人間、神様同等の力を持つ人間なんてごく僅かしかいない。
私にはあなたの詳細が把握できなかったけど、ブリュンの世界ではあなたは有名らしいわよー」
ニコニコ先生の目も細められた。口元は笑っているのに、どこか恐怖を持つようなあまり見ない表情だった。