下僕主とツンデレ超えた召喚物
よろりと体制を整え、袖口で口についた血を拭くさまは、何かを決心したようなおもむきだった。
「何でもできると自信溢れる目は、過信を生み出し、罪を背負わせる。抱えきれない責任までもおい、気づけば背負いきれない罪で押しつぶされて思うだろう。
何でもできるとは、“何でもして良い”とは違うと。思えば遅く、俺はたった独りで考える羽目になった」
右手を伸ばし、【例外番号、型無き紋様】と呟く。
「どうすれば、俺の“重荷”は軽くなるのかと」
ラグナの足元に広がる白線。バラを描き、ツタが幾何学的に絡み合うような美しい紋様だった。
【……】
何かをやっている。
思った奴はラグナに向けてまた先ほどと同じ毒(トゲ)を放つ。
当たった、でも所詮は同じことの繰り返しだ。ラグナがまた血を吐いて、詠唱を続けるのみ。