下僕主とツンデレ超えた召喚物


「やっていろ。お前程度にはやられない。“世界を壊す力持つ奴”にはやられない。何せ、決めたからな」


トゲが何度も刺さり、体を蝕んで、吐血しながら、汚れようとも、立ち続け、目をまっすぐに向けた――


「もう誰にも“あんなことはさせない”、と」


“神々の黄昏”(ラグナレク)がそこにいた。


全てを守る盾たる男の姿に泣きそうになった。


胸がはちきれそうとはこのことかと、胸ぐらに手をやる。


「っ……」


見てるだけなんてやっぱり性にあわねえ。でも、ラグナの役に立てることなど――


「コットン……」


あった。


「独りで立つな。おもてえんなら、支えてやるよ」


血だらけの体を支える。倒れないようにと。


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