下僕主とツンデレ超えた召喚物


(――)


妖精さんは笑っていました。


雨が降って、雨水をいっぱい飲んだ次の日。


びしょびしょの服でせき込みながら、木の幹に横たわる私の耳には笑い声が聞こえていました。


妖精さんは残酷です。

無邪気だから残酷です。



助けて。
――だあめ。

助けて。
――まだだよ。

助けて。
――もっと遊ぼうよ。



遊び盛りの妖精さんは叱る大人がいないので、私の懇願すべてを無視しました。


ああ、私どうなっちゃうんだろう。


死ぬこと以上に、苦しいのを意識した今。目をつむり、ふとこのまま眠れば楽になれると気づいたとき。



――女神様は現れました。



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