下僕主とツンデレ超えた召喚物


その人は、全てを――助けも恐怖も尊厳も誉れも畏怖も、全てを持っている人でした。


それらを引き連れてきたから神様。綺麗な女性だったから女神様。


完璧たる万能は横になる私を優しく抱えていいました。


「死ぬには惜しい。余を詠んだのだからな」


温かい手でした。

お日様みたいな手は、私の体の体温に伝染します。


苦しいも、辛いも、痛いも、全てが一瞬でなくなったとき――私はうとうとしてしまいました。


妖精さんはもう笑いません。笑えません。


叱る大人がいたのですから。


妖精さんに言い聞かせる女神様に抱かれている内に、私はうつらぁとした気分で寝てしまいました。


気づいたときには自分の部屋。泣いている両親に起こされたのは覚えていて、女神様の体温もまだ体に残っていたけど。


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