下僕主とツンデレ超えた召喚物
“世界の終焉たる災厄”
(一)
それは、紛れもなく奇跡だった。
祈り子に対して神様は決して姿を現さないのだ、ならば、今俺たちの前に姿を現したあれは――
「ほう。余を召還するのは誰かと思えば、主か」
この世全ての星くずを集めたような美しい銀色の髪をした女性。深紅のロングドレスを身にまとい貴婦人のような佇まいで、教会内を見回していた。
「ほほ、なかなか、なかなか。面白いことになっておるな、ああ、アレはいけない。余しか相手できんだろう――と」
語る神様に無礼ある行為をした少女がいた。
抱きつき、パクパクと口を動かす少女は感極まって言葉を忘れたよう。
目を細める神様、怒ったようにも見えたが。
「おお、あのときの子かえ?光源の指輪を渡した。ずいぶんと大きくなったものだ。やはり人間は成長が早い」
ほほと笑いながら、よりすがるクリアを撫でていた。