下僕主とツンデレ超えた召喚物
別れはいつだって


(一)


夜。

俺の部屋の窓辺にいる奴はなんだかずっと遠くを見ていた。


昼間の件はテレサ先生が何とかすると言っていたが、教会内のものが全て修復された状態で、全ての騒動はジャラシーの召還暴走によるものだと片付けるみたいだ。


ポックルさんは仲間のもとへ帰り、ミントやクリアだって今頃俺と同じく寮内にいるだろう。


女神様も先に帰って――


「……」


そう、“先”にだ。

ネミュレシスの指輪がない今、ラグナがここにいる意味はない。


俺の首輪が取れる愉快愉快なときがやってきたのに。


「……」


重い空気が俺の周りを漂う。


よく分かんねえ。どうしてこんなに重いのか。


ついで。


「風邪、ひくぞ」


いつまでも、“そこ”にいるラグナに言ってやった。


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