下僕主とツンデレ超えた召喚物
夜空の王が振り返る。女神様といいこいつといい、ラグナがいる世界は美形ばかりなのか、思わず目をそらしてしまう。
綺麗なものは見ていて引き込まれるから嫌だ。
月みたくずっと見ていたいだなんて、いずれは夜は明けて消えてしまうのに。
「……………、行かないのか」
目を会わせずに言った。
「行くさ」
ずきりと喉元あたりに変なダメージをくらう。
目をふしめがちにして、気づけば、座っていたベッドのシーツを強く掴んでいた。
「いつ、行くんだ」
「今すぐにでも」
唇をかすかに噛む。
「行くんなら、行けよ」
「そうだな」
ここで顔をあげた。
「――」
驚いた。
“目が合った奴”に
奴は俺と違って、ずっと別れる者を見ていたのだから。