下僕主とツンデレ超えた召喚物
怒りそうになった。実際はそうだろう――代わりに、泣いちまったんだから。
「お前はいいよな、別れとか気にせず帰れんだから」
へっ、と一滴だけの涙を拭って、また顔を背けようとしたが。
「気にせず帰れるなら、いつまでもここにいない」
体が、止まった。
びっくりした目で見れば、ひどい顔だと笑うラグナ。
「君と同じだよ、俺は。別れを惜しむとは思わなかった。ああ、君はそこまで俺の中に残ったんだ」
一度外を見て、ラグナがまたこちらを見る。
「なら、このまま一緒に……!」
「首輪つきのままでか」
「うっ……」
「ほらな。それに本来、君に召還される者もいるんだ。俺は邪魔だろう、だからのさよならだ。もう二度と――」