下僕主とツンデレ超えた召喚物


“二体目”が出せない。


先生ぐらいの技量になれば“二体目”もすんなりとこちらの世界に呼び寄せられるが、一介の生徒たる自分にはそんな技量あるはずもない。


帰らせようにも、その術すらも習得できていない俺に強制送還は無理な話。


普通ならば召喚物を出し、ある程度この世界に慣れさせた上で自然と送還を覚えるが。


俺が出したのはイレギュラー。首輪が俺についているんじゃ、送還術を覚えるのは一癖も二癖もあり無理そうだ。


「ね、念のために確認するぞ。その……“探し物”が見つかったら、お前は帰るのか。必ず、帰れるのか」


「断言する、すぐに帰ろう。軸がある限定は俺とてごめんだ。一生居座る気などない。今でも帰れる状態だが、それではここに来た意味がない。

君への協力を求めるが、君がすべきことは楽なものだ。

俺はこの世界に“うとい部分”があり、君から離れると力に限定がかかる。それを補うために近くにいてくれればいい、必要な時にな」


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