下僕主とツンデレ超えた召喚物
別に俺たちがざます先生を挟むようにして左右に離れて、先生をスルーすればいい話だけど。気になんだろ、やっぱり。
俺たちの真ん前に立ち尽くす違和感ありまくりの先生には。
先生を通り過ぎようとする奴の服を引っ張り止める。
うざがるような顔をされたが、すんなりと止まった奴の目にも先生が映る。
――気づいたことだが、ざます先生は俺を見ていなかった。
こんなに近くにいるのに、まるで俺は空気的な存在で。
「ど、どちらさまでしょうか」
「っっ!」
か、噛んだ。
マナーに厳しく、魔法詠唱際には噛まないように『あいうえおあおっ練習』すらも生徒にさせる先生が言葉を噛んだ。
つうか、なぜにどもっている。
内股になって、どことなく顔が赤く、三角メガネの向こうの瞳がキラキラしているような。