下僕主とツンデレ超えた召喚物
「こ、これはとんだ失礼をいたしましたわ。そうよね、天使ならば優雅に青い空を飛びたいもの。気をつけていってらして」
先生が道をあける。
大げさなぐらい、壁までよけてくれた。
「な、何かお困りごとがあったら遠慮なく言ってね。私で良ければ聞いてあげますわ」
「はい。では」
先生から目を外して、奴は行く。
結局最後まで俺は“空気”だった。――ああ、ざます先生、壁にもたれてらぁ。
「お前……天使なの」
「違う」
「……、なんであんな口調を」
「ああいうのはああするのが一番だ」
「答えになっているようでなってねえよ」
「困ることなどないが、いざあるとなればそれなりに役立ってくれる」
「女ったらしか、お前……」
「俺が何かを愛することはない」