下僕主とツンデレ超えた召喚物


「こ、これはとんだ失礼をいたしましたわ。そうよね、天使ならば優雅に青い空を飛びたいもの。気をつけていってらして」


先生が道をあける。
大げさなぐらい、壁までよけてくれた。


「な、何かお困りごとがあったら遠慮なく言ってね。私で良ければ聞いてあげますわ」


「はい。では」


先生から目を外して、奴は行く。


結局最後まで俺は“空気”だった。――ああ、ざます先生、壁にもたれてらぁ。


「お前……天使なの」


「違う」


「……、なんであんな口調を」


「ああいうのはああするのが一番だ」


「答えになっているようでなってねえよ」


「困ることなどないが、いざあるとなればそれなりに役立ってくれる」


「女ったらしか、お前……」


「俺が何かを愛することはない」


< 38 / 319 >

この作品をシェア

pagetop