下僕主とツンデレ超えた召喚物
と、奴が初めて自嘲気味に“己を話した”。
「愛せる心なんかない。俺は全てを見過ぎてしまったから……」
「お前……、ラグナ」
ここで奴の名前を呼んだのは、ただ俺がそうしたかったから。
名前を呼ばれたのが意外だったか、ラグナが俺を見る。
「君の名前を聞いていなかったな、コットンだったか」
「おう」
「肌に優しそうな名前だな」
「ぶん殴るぞ、こんにゃろー。肌じゃなく、人に優しくできるようにとだな、他の奴が使わない名前をつけてもらったんだ。大切なんだぞ、名前は」
「ああ、大切にすればいい。君が大切にするモノから――両親から授かった名前と命をな」
なぜか知らないが、軽く笑うラグナ。
コットンというのがそんなにおかしいのかと苛立ちが出てきた。