下僕主とツンデレ超えた召喚物
静まり返る辺りのくせして、明らかな変化がある。
ニヤニヤしていた大学院の連中が無表情――いや、額あたりにうっすらと怒りマークが見えてしまうほど奴らは俺のケンカを買っちまったようだ。
「クッ、ハハッ、あー、うぜっ。うぜえうぜえ、めちゃくちゃうぜえ。え、殺していいの?つか、やっちまおうぜ。もう我慢ならねえ、いいよな?
先にケンカふっかけたのはてめえなんだからよーっ」
赤髪――ヨージと呼ばれていた奴が、顎で「行け」の合図を出した。
グローブをした二人が俺を囲むように――逃げないように後ろと右側についた。俺の左側には花時計があるために退路はもうなし。
マジでやられるらしい。何をされるか分からないが、俺との距離を空けているためにヤンキーたちがやる殴りこみではないのだろう。
ああ、魔術科の奴らが拳振るうなんて聞いたこともねえし。