下僕主とツンデレ超えた召喚物
笑ってウィンクする先生に男子がうん、と頷いた。
指の震えが止まる。
しんと静まり返り。
「集中なさい。暗い頭の中、あなたが呼び出す名が出てきます」
「……」
「文字があったら一つ一つ摘み取りなさい。丁寧にこぼさず」
「…………」
「あ、……だ」
「名前を見つけたら、呼ぶの。手を伸ばして、頭の中でその子がいる世界に手を出して、握手をしようか」
不思議なやり取りだった。
ぎこちない男子がだんだんとそれらしくたち振る舞っていく。
そこに体があるはずなのに、閉じた瞼の向こうはどこかに“向かっている”みたいだった。
――やがて起きたこと。
紋章だ。
青い線、三角三つの簡易なものが足元に広がり。