下僕主とツンデレ超えた召喚物


【アーダー】


無から有が誕生する。


召喚されたのは鳥だった。くちばしと羽を持ち、槍を持った白い鳥人。


原始的と神聖さが混じったような鳥人間。


『ギ、ギー』


鳴いた、苦しそうに。


そこで男子が目を開けて、自分が呼び出したものを見る。


「アーダー、大丈夫っ。僕は君の主人だから」


『ギー』


屈む鳥人。首もとを押さえて――いや、首にある銀の首輪を鳥人は外そうとしていた。


首輪には鎖がはえている。それは男子生徒の手首に巻かれていた。


召喚の際の契約書だった、あの証は。


首輪と鎖。
主従関係をはっきりさせて、召喚物に召喚者が力を与える端子でもあるけど。


『ギッ、ギー』


その鎖に鳥人は苦しまれているようだった。


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