霊務2
【受かった!ー12】


一室の部屋に
連れてこられた礼子は、
ほっぺを膨ましている。





せっかくの盛り上がりを
台無しにされたからだ。





(なるわけないけど)





それとは裏腹に、
課長はドンと机を叩いた。





「どーゆー事です!!
何なんですか
さっきの挨拶は!」





何を
怒っているのだろうか?





礼子はサッパリ
分からなかった。





それでも、
課長の説教は続く。





「全く常識外れです!
社会人としての常識を
持ちなさい!」





「え~~
でもあそこで
一気に盛り上がるのに…」





「盛り上がらなくて
いいです!
ここは会社ですよ?

盛り上げるなら
飲み会の時だけに
しなさい!」





ギャーギャーうるさい…





ほんとヒステリック。





「もう~ヒスブルは
そんな怒らなくても
いいじゃない~

大人気ないよ?」





「ヒ、ヒスブル?!
何ですかそれは!」




すると、
礼子は課長の肩を
ポンポンと叩いた。





「まぁまぁ。

普段ケンスケさんの
前では甘えてたんでしょ?

そりゃ会社の姿見られたら、
嫌われて
捨てられちゃうわよ」




その言葉に課長は
ドキっとした!





「な!!?」





なぜこの子が
そんな事を…?





「ど、どうして
そ、その話を…?」





ドギマギながら
課長は問いただしてみた。




「ん?
いや後ろのおじいちゃんに
聞いたから」




清水課長の
後ろに居ると言う
おじいちゃん…


それは、
彼女の守護霊である
昔のおじぃちゃん。




守護霊としてずっと
見守り続けていたので、
課長の事情は知っている。





笑いながら世間話で、

自分の孫娘の赤裸々話を、
礼子に話したのであった
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