霊務2
【この会社って…ー31】






だけど礼子は悩まず、
それに答えた。







「そんな
難しく考えなくて
いいと思う。

新製品は
お客さん主体に
考えてもらうから、
ウチの製品を
販売してるとこに
アピールとして
社員の誰かが付いて
販売促進する事。
(アタシに行かせて
サボりたいから)

自社もアピールできるし
正確に従来の商品も
新商品も説明できる。

あと互いの売り上げ
向上には、
収益に注目するより
費用を多く出さない事。
(今月ピンチだから
その分アタシに回して)

例えば化粧原料を
作るのに
なるべく費用を
出さないとか。

その他社内の節減も
同じ。

うまく
費用削減できた社員には
手当てを出すのも
各社員やる気も出て
みんなが
取り組んで良いかも。
(とにかく金くれ)

そんなとこ?」








全部、
裏を返せば
自分だけの事しか
考えていない礼子。








だが、そう提言すると
相手メーカーはえらく
感銘した。









「素晴らしい。
いや実に素晴らしい」








お偉い方は
つい収益向上だけを
目にし過ぎて、

こんな単純な事も
思い付かなかった。








礼子の言い方が
ズバズバ言うから
凄い事を
言ってるように
周りは聞こえるが、

これは新人ならではの
単純な発想であった。








今日の会議での発言は、
大成功に収めた!!!










「豚バラになってから
出直しといで」








「え……?なんです?」











おっとやべ、
ドラマの決め台詞まで
言わなくていいんだ。








たまたま
聞こえてなくて良かった

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