霊務2
【十年前の真実ー10】




「…藤原さんが
持っているそのバック…

来年度の新規社員の
名簿が入ってるわよね?
見せてくれない?」






「新規社員のですか…?

いいですよ」







そう言って
藤原はバックを開けると
綺麗に包まれた封筒から

何枚か履歴書を出した。






すでに11名
面接しており、
この中の1人から
来年度の新入社員が
選ばれる。







それを手渡すと
ヨネさんはフムフムと
眺め始めた。







「皆……
いい顔だよ……

あの三光を…
良くしていって
ほしいねえ…」







「そうですね…
未来を背負っていく
者達ですから…」







もう二度と
あのような事が
起こらないように…






光輝く三光の未来の為に
頑張ってもらいたい
ものだ。







「私はこう見えても
藤原さんと同じく、
人を見る目が
あるんだよ?


どれ…


この子しっかりした
目つきね…
『清水未来』か…

未来と書いてミクね。

三光の未来も
背負っていけるに
ピッタリな名前だね」







そう言って、
履歴書をまとめて
藤原に返した。







「副社長直々の
推薦ですか…

ふっ…

本当に
未来を変えてもらいたい
ですね…

さてと…」







藤原は立ち上がり、
バックを持ち上げた。







「…では、
これで私は
失礼させていただきます

今までご指導
ありがとうございました」







ペコリと頭を下げて
藤原はその場から
ゆっくり去ろうとした
< 158 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop