霊務2
【十年前の真実ー12】
ヨネさんを
探し出してから数週間後、
三光では藤原が
慌ただしく動いている。
当然である。
他の重役達の分の
仕事まで、
請け負ってるからだ。
「…何か用かね?」
部屋に入ってきた
女性社員に、
声をかける。
「ス、スミマセン…
今玄関で、
面接をしてくれと
わめくおばさんが
来てまして…」
「おばさん?」
藤原が聞くと、
女性社員はコクリと
頷いた。
「はい…
50代くらいの女性で…
人事の藤原に会わせろと
聞かないんですよ」
「…どこの失礼な人かは
知らないが、
面接する面接官に
向かって
『藤原』と呼び捨て
とはね…
社内のイメージが
悪くなるから、
即刻つまみ出しなさい」
「はい、分かりまし…」
ガチャ…
話が終わる前に、
部屋のドアが開いた。
そこには…
「あーーー!!
この人です!!
こんな所にまで来て…
さあ、
帰ってもらいますよ!」
その顔を見た藤原は、
勢い良く立ち上がった。
「―――――!!
君!やっぱりいい!
席を外しなさい!」
「え?」
女性社員は、
キョトンとする。
だが藤原の目は、
何度も言わせるなと
言わんばかりの、
鋭い眼光をしていた。
「わ、分かりました。
…失礼します」
女性社員は
それだけ言い残し、
すぐさま出て行った
ヨネさんを
探し出してから数週間後、
三光では藤原が
慌ただしく動いている。
当然である。
他の重役達の分の
仕事まで、
請け負ってるからだ。
「…何か用かね?」
部屋に入ってきた
女性社員に、
声をかける。
「ス、スミマセン…
今玄関で、
面接をしてくれと
わめくおばさんが
来てまして…」
「おばさん?」
藤原が聞くと、
女性社員はコクリと
頷いた。
「はい…
50代くらいの女性で…
人事の藤原に会わせろと
聞かないんですよ」
「…どこの失礼な人かは
知らないが、
面接する面接官に
向かって
『藤原』と呼び捨て
とはね…
社内のイメージが
悪くなるから、
即刻つまみ出しなさい」
「はい、分かりまし…」
ガチャ…
話が終わる前に、
部屋のドアが開いた。
そこには…
「あーーー!!
この人です!!
こんな所にまで来て…
さあ、
帰ってもらいますよ!」
その顔を見た藤原は、
勢い良く立ち上がった。
「―――――!!
君!やっぱりいい!
席を外しなさい!」
「え?」
女性社員は、
キョトンとする。
だが藤原の目は、
何度も言わせるなと
言わんばかりの、
鋭い眼光をしていた。
「わ、分かりました。
…失礼します」
女性社員は
それだけ言い残し、
すぐさま出て行った