霊務2
【上に立つべき人間-4】




《へっ…
あっしのプレゼントは
ちゃんと届いた
みたいですね》







―――――!!







「お前は!!」






聞き慣れた声。



それは
共に
詐欺の数々をしてきた
相棒の声。







それを知った金丸は
こんな仕打ちをした
仲間に問いただした。







「何故…
何故私にこんな事を…

お前は何故
仲間の私を売った!」







そう憤る金丸に対し
冷たくひややかな
答えが帰ってきた。






《仲間?
馬鹿言っちゃ
いけませんよ。

あっしは一度も
仲間なんて思った事は
ありませんぜ》







「裏切ったのか…!」







《裏切り?
それはアンタの方だろ?

ちょいと早めに
確認したら、

約束の金。
ロッカーに
入ってなかったぜ?》







それを聞き
金丸は驚いた。






それはそうだ。

渡すハズの約束の金。






今朝間違いなく
駅のロッカーに
入れたのだから。






「そんな馬鹿な!!
約束した金は
ロッカーに入れた!

間違いない!!!」






もはや周りに
会話を聞かれても
もう気にしない金丸。





手遅れなのは
分かっている。






だからこそせめて、
金を入れた事実だけは
仲間に主張したかった
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