俺様彼氏と空手彼女
また、教室の後ろでは璃依の知らない内に、こんな会話がされていた。
「おい、森崎。感謝しろよな」
「やっぱお前か、宮川」
不機嫌そうな森崎に、一人の男子が話し掛けた。
「俺がみんなに言ってやったんだぜ?」
「急に態度変えるからそうだとは思ったよ」
「まぁ俺としちゃ、お前のファンがこっちに流れて、俺はもっとモテるから一石二鳥なんだけどな」
「あぁ、持ってけ持ってけ。俺もその方が楽だ。」
「ったく。にしても、牧瀬さんを手に入れるとはさすがとしか言い様がないな。」
「まさかお前まで璃依狙いとは言わねぇだろうな?」
「そのまさか、って言ったらどうする?」
「おい!?」
「少なくともここに、璃依ちゃんをいいなって一度も思わなかった男子がいるかよ」