俺様彼氏と空手彼女
この会話に、璃依は多分気付けるわけないだろう。
「璃依」
学校も終わり、帰ろうかと思っていた頃。
ふいに森崎に呼ばれた私。
「な、何?」
「いつもの場所で、待ってっから。寄り道すんなよ」
私の頭をくしゃっと撫で、さっさと帰ってしまう森崎。
森崎は、頭をくしゃくしゃするの好きなのかな…。
別に、くしゃくしゃされるのは嫌じゃない。むしろ好…って何を考えてんの私は!!
一人葛藤する私に、玲菜は不思議そうな眼差しを向けた。
いいや、とりあえず帰ろ。