俺様彼氏と空手彼女
あいつも、待ってることだし…。
って、喜んでるの!?喜んでるの私!?
再び頭を抱えて暴れる私に、玲奈の冷たい視線が刺さる。が、パニック寸前の私は気付くわけもない。
…、でも知らなかった。
私って、こんなことで喜んじゃうんだ…。
今までは、ムカムカしてただけのくせに。
ゲンキンだ、私。
あいつの行動一つに、ドキドキしてる。
なにさ…っ、いつもイジワルばっかしてたから、調子狂うじゃん。
バカ森崎…っ
ぽかっ
考えごとをしてたら、いきなり後ろから頭を叩かれた。
「痛いっ」
「なーに一人で百面相してんの、バカ璃衣。」
振りかえれば、掃除用具を握りしめた玲菜の姿があって。
「どうせ、森崎くんに頭くしゃくしゃされて内心喜んでんでしょ。」
ついでに、心の中まで読まれてしまった。
私って、そんなにわかりやすいんだろうか…。