俺様彼氏と空手彼女












今、何を…










「昔っから、お前が好きだったんだ」









「何を言っ…」





びっくりして慌てて立ち上がる。


そのはずみで、椅子が大きな音を出して倒れてしまった。



「お、慌ててんな」




かすかな笑い声がドアの反対側から聞こえた。






「隼人…」






「あーいいよ、答えなくて。ムリってわかってるし、お前困るもんな。だから今まで黙ってたんだ。」







しょーがねぇよ、とまるで自分に言い聞かせるかのように呟く。





「冗談、でしょ?だって、こんなの隼人らしくない」




そうだよ。


隼人はいつも軽くて、性格悪くて。





こんなの、違う。








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