俺様彼氏と空手彼女
「おはよう、璃依」
玄関のドアを開くと、柔らかくほほえむ葵の姿がそこにあった。
「お、おはよ…」
それだけのことなのに、一気に顔が熱くなる。
「迎えに来た。行こう」
「うん…ありがとー…」
ダメだ…っ、本人前にすると恥ずかしくって何もできない!!
「なぁ、璃依」
「ふっふぁい!?」
…噛んじゃった。
「ふっ、何慌ててんだよ」
やっぱり笑われた…。
「もうっ!!何??」
「あぁ、わり。お前、兄貴いたの?」
兄貴…?
あ、隼人のこと?
兄貴って…。
まぁ、一応血は繋がってるけどね。