俺様彼氏と空手彼女
忍び寄る悪夢。
「璃依、ちょっといい??」
昼休み、気まずそうにやって来た凜。
凜とは、ちゃんと話し合って仲直りしたかった。
「うん、いいよ」
なるべく笑顔を作るようにはしたけど、顔は強ばってたかもしれない。
凜の後をついてゆくと、連れて来られたのは屋上だった。
「それで、話って??」
「あ、うん。あの、ね??」
言いにくそうにソワソワしたあと、意を決したかのように切り出した。
「ごっ、ごめんね!?璃依!!」
目に涙をため、ほんの少し肩を震わせて言う凜。
それだけで私は、凜へ抱えていた気持ちは吹き飛ぶ。
「いいんだよっ??凜。いつまでもはっきりしなかった私も悪かったんだからっ」
「許してくれるの??璃依…。私っ、あんなにひどいこと言ったのに…。」
と言って嗚咽を漏らしながら、両手で顔を覆って泣き出してしまった。