俺様彼氏と空手彼女
真っ直ぐな、真剣な目で言われ頭がクラクラした。
ただそれだけのことなのに、心臓がバクバクして恥ずかしくなる。
やっぱりこいつの、力強い瞳は苦手だ。
人を引き付けて離さない、意志の強そうな目。
揺るがない、強い気持ちが伝わってくる。
葵は、何かとてつもない苦労とか努力とかしたんだろうか…。
「璃依。そんな可愛い顔で俺を見つめて、誘惑してぇの?」
な…っ!?
「違っ…!!ざっけんなこの変態っ!!」
思わず手が出て、葵を殴ろうとするものの、あっさり受けとめられる。
忘れてたっこいつ私より強かったんだ!!
私だって、こいつと同じ黒帯なのにーっ!!
この力の差は何!?
むかつく〜っ。いつか抜いてやるんだから!!
「いい加減、暴力ぐせは直そうな…。」