俺様彼氏と空手彼女
それからもう一つ変わったこと。
クラスのみんなから、無視されてる。
たまに、物を隠されたり落書きされたりもする。
玲菜は心配して一緒にいてくれてるけど、玲菜まで嫌がらせされてないか心配だ。
もしかしたら、されてるかもしれない。
そのことで謝ったら、辛いのはアンタの方でしょって哀しそうな顔をされてしまった。
正直、このことを苦痛だとか辛いだとかとは感じない。
あれ以上に悲しいことなんてないもん…。
葵のことなんて、すぐ忘れられると思ってた。
時間が解決してくれる、そう思ってたのに、ちっともそんなことはなかった。
時間がたてばたつほど、私の心は葵を必要とする。
もう、あんな風に一緒にいることなんてないんだってわかってるけど。
それでも、葵の気配や声に敏感に反応して
葵を目で追ってる自分がいたんだ…。