俺様彼氏と空手彼女
私は、何の躊躇もなく一番左にいた男子を蹴り飛ばす。
「ぅわっ」
さらに、右隣の男のみぞおちに膝蹴りを打ち込み、真ん中の男の顔を下から蹴りあげる。
そうすると、逃げ道は出来上がった。
だけど、
カチャンっ
扉はいつの間にか隙間なく閉められ、鍵のおろされる音が薄暗い倉庫内に響く。
「…っ」
閉められ…
「このっ、くそアマがっ!」
「…っう」
憤慨した男に、容赦なく殴られ私の体は床に叩きつけられた。
「…っ」
どうしよう、五人なんてムリだ。
「おとなしくしてろよ。痛くしねぇからよ」
ニヤニヤと、気色悪い顔で私に近づき手を伸ばす男たち。
いやだ…
こんなの、いやだ…
「……やめ…て…。触らないで…」
震える唇で、かすれた声を出す。
無論、私のそんな願いは聞き入れられるハズもなく。
その手は、私の制服を掴む。
「や、やだ…!!葵…っ!!」