俺様彼氏と空手彼女
悔しいけど、否定できない…!
「俺は、お前が好きで仕方ねぇよ。」
「!!」
「お前しかいらない。お前だけが欲しいのに」
なっ、なななななななっ!?
「な、何言ってんの、バカっ」
そうすると葵はずいっと私に近づいて、人差し指でほっぺたをぷにっと突き始めた。
「なにす…」
「まっかっかだよ?璃依ちゃん」
「!!」
璃依ちゃん!?璃依ちゃんてちょっと!!
ぜ、絶対こいつ私のことバカにしてる…!
「はっ、離せ変態バカッ!!」
「変態バカって…。彼氏に言うことか?」
「!! うるさいっ、いい!?明日から朝迎えにこなくていいからね!」
さすがに言い過ぎたとは思ったけど、引っ込みがつかずにそんなことを言ってしまった。
「じゃあねっ!」
勢いに任せ、私は家の玄関のドアを閉めた。
あれ?そう言えば、いつの間に家に着いてたんだろう…。
学校から私の家まで、歩いて40分以上かかるのに。
葵と一緒だと、5分くらいにしか感じなかった…。