俺様彼氏と空手彼女
俺様と兄貴さま。
「おい、森崎葵!!」
またか。
俺は、若干イラつきながら後ろを振り返った。
そこには、金属パイプを持った男が三人。
つか、三人かよ。
いい加減学習しろって。
「何か用?」
「お前っ、生意気だぞ!一年坊のくせして!」
「元々こういう性格なんすよ」
「今日こそお前をぼこぼこにしてやるからな!!」
「どうぞご勝手に。」
ふぅ、と少しため息を漏らしカバンを適当に端の方へ投げやる。
「くらえぇえええっ!!」
そんな台詞とともに、ばっ、と容赦なく振り上げられたパイプ。
こいつら、当たったら死ぬとかわかんねぇのかよ。
まぁ、当たんねぇからいいんだけどさ。
毎度毎度、いい加減にしてくれ。
さすがに飽きた。
俺は、さっ、と向かって来たパイプをよける。
…がら空きじゃねぇか。
もう一度、振り上げられたときにはすでに蹴りを食らわせていた。
その一発で、刺客は簡単に倒れた。