俺様彼氏と空手彼女
「変なことしたら、次は容赦なく回し蹴りするから」
「へぇ?変なことって、どんなこと?」
「な…っ!」
「なぁ、どんなこと?」
「…っ!私に聞くなぁっ!」
コイツ、ホント性格悪いっっ
「やっぱ面白いな、お前」
…そんな無邪気な顔で笑わないでよ…。
「普通のオンナだったら、卒倒してっけど」
「悪かったね、普通じゃなくて」
「…もったいねぇの」
「は?」
アイツは急にまじめな顔になって、思わずドキッとしてしまう。
「わ…っ」
ぐいっ、と手を掴まれ
森崎葵のもとへあっさり引き寄せられた。
空いた片方の手で、私のあごに手をそえて、うつむこうとした私の顔を上に向かせ簡単に視線と視線を交わらせた。
「ちょ…っ、何す…」
「璃依。お前せっかく可愛いんだから、そんな仏頂面してんなよ」
かっ可愛い!?私が!?
コイツ、何言ってんの!?
「いい加減に…っ」
「離さねぇ。」
「な…」
「離さねぇから…」